危険物取扱者 乙種 物理学及び化学⑧「化学反応式」 係数で元素数を合わせる

物理と化学(乙種)

ここでは物理学及び化学の8回目です。

「化学反応式」を学習します。

 

学習ポイントのまとめ

今回の章では以下をマスターすることを目的にしています。

※以下がすべて理解できていたら本章は飛ばしてもOKです。

化学式は化学物質を元素の構成で表現する表記法
・「化学反応式」は化学反応を表現するための式
・「化学反応式」は矢印を挟んだ左右で元素数が一致している必要がある
・一致しない場合は「係数」を用いて一致させる

化学物質は「化学式」で表す

化学物質は元素記号を用いた「化学式」で表すことができます。化学式を用いて化学変化を表したものを「化学反応式」といいます。

 

化学式は元素の組み合わせで表す

化学式は化学物質を元素の構成で表現する表記法です。分子からなる物質を表す化学式を分子式、イオン物質を表す化学式をイオン式と呼ぶこともあります。

 

化学式:
化学物質を元素の構成で表現する表記法

 

代表的な化学式には次のようなものがあります。

化学物質名 化学式
H₂O
エタノール C₂H₅OH
酸素 O₂
メタン CH₄

 

化学反応式は化学反応を化学式で表現する

「化学反応式」は、物質の化学変化、つまり化学反応を表現するための式です。通常、化学反応式中で物質は化学式を用いて表されます。化学反応前後での物質の構造変化を表現したりします。

 

化学反応式:
化学式を用いて化学反応を表現するための式

 

化学反応では反応前の化学物質を反応物 、反応後の化学物質を生成物といい、矢印記号(通常の順方向の反応では「→」)で区切られ、個々の物質の化学式はプラス記号で区切られます。例えば炭素と酸素が反応して二酸化炭素が生成することを表す化学反応式は次のように表されます。

炭素と酸素が反応して二酸化炭素が生成する化学反応式
化学反応式:C+O₂ → CO₂

 

「係数」を用いて左右の元素数を合わせる

化学反応式は、矢印を挟んだ左右で元素数が一致している必要があります。一致しない場合は「係数」を用いて一致させます。

先ほどの炭素と酸素が反応して二酸化炭素が生成することを表す化学反応式の場合、式の右側には炭素が1つ、酸素が2つあります。右側にも炭素が1つ、酸素が2つですので、一致しています。
(この場合、炭素が「C」であることや、酸素が「O₂」であること、二酸化炭素がCO₂であるとは知っていないとわからない内容ですが、危険物取扱者の試験ではこれらの分子式は問題中に与えられますので暗記する必要はありません。)

 

次に左右で元素数が一致していない場合を考えます。例として水素と酸素を反応させて水を作る化学反応式を考えてみましょう。

化学反応式 : H₂+O₂ → H₂O

 

元素の数ですが、左側は水素が2つ、酸素が2つです。右側は水素が2つ、酸素が1つです。つまり元素の数があっていません。この場合、化学式の前に「係数」をつけて数を合わせる処理を行います。例えばH₂Oに係数2をつけると2H₂Oになります。こうすることで水素4個、酸素2個となります。これによって元素数を左右で合わせていきます。これが係数をつける意味です。

 

では先ほどの例に戻って、係数を利用して左右の元素数を合わせていきます。

化学反応式 : H₂+O₂ → H₂O

まず、左右の元素の数を比較します。

左側:水素2個、酸素2個
右側:水素2個、酸素1個

右側の酸素の数が足りませんので、係数としてH₂Oの前に「2」を付けます。

H₂+O₂ → 2H₂O

左側:水素2個、酸素2個
右側:水素4個、酸素2個

今度は左側の水素の数が足りません。 そのため、左側の水素に係数として2を付けます。

2H₂+O₂ → 2H₂O

左側:水素4個、酸素2個  
右側:水素4個、酸素2個

これで数がすべて合いました。

このように、係数をかけて左右の式の元素数を合わせる必要があります。

問題

問題 これができたらOK!

問1. 水素と酸素が反応して水が生成する化学反応式について係数を答えなさい。

H₂+O₂ → 2H₂O

正解と解説

まず、左右の元素の数を比較します。

左側:水素2個、酸素2個
右側:水素2個、酸素1個

右側の酸素の数が足りませんので、係数としてH₂Oの前に「2」を付けます。

H₂+O₂ → 2H₂O

左側:水素2個、酸素2個
右側:水素4個、酸素2個

今度は左側の水素の数が足りません。 そのため、左側の水素に係数として2を付けます。

2H₂+O₂ → 2H₂O

左側:水素4個、酸素2個  
右側:水素4個、酸素2個

これで数がすべて合いました。

正解: 2H₂+O₂ → 2H₂O

 

問2.メタンが酸素と反応して、二酸化炭素と酸素になる化学反応式について係数を答えなさい。

CH₄+O₂ → CO₂+H₂O

正解と解説

まず、左右の元素の数を比較します。

左側:炭素1個、水素4個、酸素2個
右側:炭素1個、水素2個、酸素3個

水素の数と酸素の数の両方が合いません。まず水素の数から合わせていきます。H2Oに係数を2

CH₄+O₂ → CO₂+2H₂O

左側:炭素1個、水素4個、酸素2個
右側:炭素1個、水素4個、酸素4個

水素の数は合いましたが、今度は酸素の数が合いません。 そのため、左側の酸素に係数として2を付けます。

CH₄+2O₂ → CO₂+2H₂O

左側:炭素1個、水素4個、酸素4個  
右側:炭素1個、水素4個、酸素4個

元これで数がすべて合いました。

正解:CH₄+2O₂ → CO₂+2H₂O 

 

問3.メタノールが酸素と反応して、二酸化炭素と酸素になる化学反応式について係数を答えなさい。

CH₃OH + O₂ → CO₂ + H₂O

正解と解説

まず、左右の元素の数を比較します。

左側:炭素1個、水素4個、酸素3個
右側:炭素1個、水素2個、酸素3個

水素の数が合いません。まず水素の数を合わせていきます。H2Oに係数を2をつけます。

CH₃OH + O₂ → CO₂ + 2H₂O

左側:炭素1個、水素4個、酸素3個
右側:炭素1個、水素4個、酸素4個

水素の数は合いましたが、今度は酸素の数が合いません。
そのため、左側のCH₃OHに係数として2を付けます。

2CH₃OH + O₂ → CO₂ + 2H₂O

左側:炭素2個、水素8個、酸素4個  
右側:炭素1個、水素4個、酸素4個

酸素の数は合いましたが、今度は炭素、水素の数が合いません。 炭素を合わせるためにCO₂に2を、水素を合わせるためにさらに2(合計4)を追加します。

2CH₃OH + O₂ → 2CO₂ + 4H₂O

左側:炭素2個、水素8個、酸素4個  
右側:炭素2個、水素8個、酸素8個

酸素の数がまだあっていませんので、酸素に3を付けます。

2CH₃OH + 3O₂ → 2CO₂ + 4H₂O

左側:炭素2個、水素8個、酸素8個  
右側:炭素2個、水素8個、酸素8個

数が合いましたのでこれが正解です。

正解:2CH₃OH + 3O₂ → 2CO₂ + 4H₂O 

 

リンク

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