危険物取扱者 乙種 法令④「危険物取扱者」&「危険物保安監督者 等」 実施できる業務や再交付・返納も

法令(乙種)

危険物取扱者 法令の3回目です。

「危険物取扱者」&「危険物保安監督者 等」を学習します。

この色枠部分は法令より引用・抜粋した部分を表記しています。

学習ポイントのまとめ

 

今回の章では以下をマスターすることを目的にしています。

 

・危険物取扱者の種類と、実施できる業務
免許の再交付・返納
・危険物保安監督者
・危険物保安統括管理者
・危険物施設保安員

危険物取扱者の業務と免状

 

危険物取扱者は危険物を取扱うことができる資格です。

主に取扱い、立ち会い、危険物保安監督者の業務を行うことができます。

免状の種類によって実施できる業務や範囲がことなり、次のように規定されています。

  甲種 乙種 丙種
取扱い すべての危険物 取得した類 第4類の指定された危険物※
立ち会い すべての危険物 取得した類 不可
危険物保安監督者 すべての危険物 取得した類 不可

※第4類危険物のうち、ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油、潤滑油及び引火点が130℃以上のもの)、第4石油類及び動植物油類

 

実施可能な業務について

資格は甲種、乙種、丙種の3種類あります。

乙種は危険物の分類である第1類から第6類毎に区分されています。

 

危険物取扱者免状の種類は、甲種危険物取扱者免状、乙種危険物取扱者免状、丙種危険物取扱者免状とする。

 

危険物取扱者が取り扱える危険物は免状によって異なります。

甲種はすべての危険物を取扱い可能、乙種は免状に記載の危険物のみが取り扱い可能です。

丙種は第4類危険物のうち、ガソリン、灯油、軽油、第3石油類(重油、潤滑油及び引火点が130℃以上のもの)、第4石油類及び動植物油類のみを取り扱い可能です。

 

危険物取扱者の立ち合いがあれば、無資格者でも危険物を取り扱うことができます。

ただし、立ち会うことができる資格は甲種、乙種のみで、丙種は立ち合いができません

また、乙種の危険物取扱者も取得した類の危険物のみに立ち会うことができます。

甲種危険物取扱者、乙種危険物取扱者がその取扱作業に関して立ち会うことができる危険物の種類は、危険物取扱者免状の種類に応じて総務省令で定める。

危険物取扱者以外の者は、甲種危険物取扱者又は乙種危険物取扱者が立ち会わなければ、危険物を取り扱つてはならない。

 

 

また、甲種危険物取扱者と乙種危険物取扱者は危険物保安監督者になることができます。

条件としては6か月以上の実務経験が必要です。

甲種危険物取扱者、または乙種危険物取扱者で、6か月以上危険物取扱いの実務経験を有するもののうちから危険物保安監督者を定め、保安の監督をさせなければならない。

危険物保安監督者の選任や解任に関しては届出が必要であったり、解任命令が出される場合もあります。

 

免状の交付と返納

 

免状の交付危険物取扱者試験に合格することで、危険物取扱者の免状が得られます。

交付者は都道府県知事です

危険物取扱者免状は、危険物取扱者試験に合格した者に対し、都道府県知事が交付する。

 

都道府県知事は、危険物取扱者免状の交付を行わないこともできます。

・危険物取扱者免状の返納を命ぜられ、その日から起算して1年を経過しない者
・消防法に違反して、罰金以上の刑に処せられた者で、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して2年を経過しないもの

また、危険物取扱者が消防法に違反しているときは、都道府県知事は危険物取扱者免状の返納を命ずることができます。

書き換えと再交付

(免状の書換え)

免状の記載事項に変更を生じたときは、書換えを申請しなければなりません。

申請先は免状を交付した都道府県知事、または居住地若しくは勤務地を管轄する都道府県知事です。

 

(免状の再交付)

免状を亡失し、滅失し、汚損し、又は破損した場合は再交付を申請できます。

申請先は免状の交付又は書換えをした都道府県知事です。

また、再交付を受けた後に、亡失した免状を発見した場合は、その免状を10日以内に免状の再交付を受けた都道府県知事に提出しなければなりません。

 

保安講習

危険物の取扱には、保安講習を受講する必要があります。

 

危険物取扱作業に従事することとになった日から1年以内に講習を受けなければなりません。

ただし、当該取扱作業に従事することになった日前2年以内に危険物取扱者免状の交付を受けている場合、または講習を受けている場合は、それぞれ交付日、または受講日を受けた日以後の最初の4月1日から3年以内に講習を受ける必要があります。

講習を受けた日以後は、3年以内に講習を受けなければなりません。
公益財団法人 大阪府危険物安全協会※https://www.piif-osaka-safety.jp/hoan_gaiyo.html

危険物保安監督者・危険物保安統括管理者・危険物施設保安員

危険物保安監督者

危険物保安監督者を選任する必要がある施設は製造所、屋外タンク貯蔵所、給油取扱所、移送取扱所です。

細かい条件としては、次の通りに定められています。

 

(危険物保安監督者を定めなければならない製造所等)
第三十一条の二 法第十三条第一項の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、製造所等のうち次に掲げるもの以外のものとする。
一 屋内貯蔵所又は地下タンク貯蔵所で、指定数量の倍数が三十以下のもの(引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを貯蔵し、又は取り扱うものに限る。)
二 引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを貯蔵し、又は取り扱う屋内タンク貯蔵所又は簡易タンク貯蔵所
三 移動タンク貯蔵所
四 指定数量の倍数が三十以下の屋外貯蔵所
五 引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを取り扱う第一種販売取扱所又は第二種販売取扱所
六 指定数量の倍数が三十以下の一般取扱所(引火点が四十度以上の第四類の危険物のみを取り扱うものに限る。)で次に掲げるもの
イ ボイラー、バーナーその他これらに類する装置で危険物を消費するもの
ロ 危険物を容器に詰め替えるもの

危険物保安統括管理者

 

危険物保管統括責任者は、第四類の危険物を取り扱う製造所、移送取扱所、一般取扱所に設置され、保安に関する業務を統括管理を行います。

 

選任条件として、製造所と一般取扱所は指定数量の3,000倍、移送取扱所は指定数量以上で選任が必要です。危険物保安統括管理者を定めたとき、もしくは解任したときは、市町村長等に届け出なければなりません。

 

設置必要な区分 数量条件
製造所 指定数量の3,000倍
移送取扱所 指定数量以上
一般取扱所 指定数量の3,000倍

危険物保安員

 

危険物保安員とは、製造所等の保全に関する業務を行います。

製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、危険物施設保安員を定め保安のための業務を行わせなければならない。

 

危険物保安員は、指定数量100倍以上の製造所と一般取扱所、すべての移送取扱所で選任が必要です。

設置必要な区分 数量条件
製造所 指定数量の100倍
移送取扱所 指定数量以上
一般取扱所 指定数量の100倍
(危険物施設保安員を定めなければならない製造所等の指定)
第三十六条 法第十四条の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、指定数量の倍数が百以上の製造所若しくは一般取扱所又は移送取扱所のうち、総務省令で定めるもの以外のものとする。
具体的に危険物施設保安員の業務には次のようなことがあります。
・製造所等の定期点検、臨時点検を行なうこと。
・点検を記録、保存すること。
・製造所等の構造及び設備に異常を発見した場合は、危険物保安監督者その他関係のある者に連絡するとともに状況を判断して適当な措置を講ずること。
・火災が発生したとき又は火災発生の危険性が著しいときは、危険物保安監督者と協力して、応急の措置を講ずること。
・製造所等の計測装置、制御装置、安全装置等の機能が適正に保持されるようにこれを保安管理すること。

 

演習問題

問1. 以下の文章の中で正しい選択肢はいくつあるか。

  1. 危険物取扱者には甲種・丙種の2種類がある
  2. 免状は市町村長が交付する
  3. 甲種はすべての危険物を取扱い可能、乙種は免状に記載の危険物のみが取り扱い可能である
  4. 危険物取扱者の立ち合いがあっても、無資格者では危険物を取扱うことができない
  5. 甲種危険物取扱者であれば実務経験なしに危険物保安監督者になることができる

 

正解と解説

正解:1つ

  1. 誤り 危険物取扱者には甲種・乙種・丙種の3種類がある。さらに乙種は類毎に6種類存在する。
  2. 誤り 免状は都道府県知事が交付する
  3. 正解
  4. 誤り 危険物取扱者の立ち合いがあれば、無資格者でも危険物を取扱うことができる
  5. 誤り 甲種危険物取扱者であっても6か月の実務経験が必要である

 

問2. 以下の文章の中で正しいものはいくつあるか。

  1. 免状の書換は、市町村長に申請する
  2. 免状の再交付は免状の交付又は書換えをした都道府県の知事に申請する
  3. 再交付を受けた後に、亡失した免状を発見した場合は、自身で適切に廃棄処分する
  4. 危険物取扱者が消防法に違反しているときは、都道府県知事は免状の返納を命ずることができる
  5. 危険物取扱者免状の返納を命ぜられ、その日から起算して5年を経過しない者には免状の交付がされない場合がある
正解と解説

正解:2つ

  1. 誤り 免状の書換は、都道府県知事に申請しなければなりません。
  2. 正しい
  3. 誤り 亡失した免状を発見した場合は、10日以内に免状の再交付を受けた都道府県知事に提出
  4. 正しい
  5. 誤り 危険物取扱者免状の返納を命ぜられ、その日から起算して1年を経過しない者

 

問3. 以下の文章の中で正しいものはどれか。

  1. 危険物の取扱には、安全講習を受講する必要がある
  2. 危険物取扱作業に従事することとになった日から3年以内に講習を受けなければならない
  3. 当該取扱作業に従事することになった日の前2年以内に危険物取扱者免状の交付を受けている場合は3年以内に講習を受ける必要がある
  4. 講習を受けた日以後は、5年以内に講習を受けなければならない
  5. 講習は東京・大阪・北海道・名古屋・福岡で行われる
正解と解説

正解:3

  1. 誤り 危険物の取扱には、保安講習を受講する必要があります。
  2. 誤り 1年以内に講習を受けなければなりません。
  3. 正しい
  4. 誤り 講習を受けた日以後は、3年以内に講習を受けなければならない。
  5. 誤り 講習は全国の都道府県で受けることができます。

 

問4. 以下の文章の中で正しいものはいくつあるか。

  1. 危険物保安監督者を選任する必要がある施設は製造所、屋外タンク貯蔵所、給油取扱所、移送取扱所である
  2. 丙種危険物取扱者が危険物保安監督者になることはできない
  3. 危険物保安監督者になる条件として、1年以上の実務経験が必要である
  4. 危険物保安監督者の選任や解任に関しては市町村長等への届出が必要である
  5. 市町村長等でも危険物保安監督者の解任命令を出すことはできない
正解と解説

正解:3つ

  1. 正しい
  2. 正しい
  3. 誤り 条件としては6か月以上の実務経験が必要
  4. 正しい
  5. 誤り 市町村長等は危険物保安監督者の解任命令を出すことができる。

 

問5. 以下の危険物施設保安員の業務として誤っているものはどれか。

  1. 製造所等の定期点検、臨時点検を行なうこと
  2. 点検を記録、保存すること
  3. 製造所等の構造及び設備に異常を発見した場合は、状況を判断して適当な措置を講ずること
  4. 火災が発生したとき、または火災発生の危険性が著しいときは、危険物保安監督者と協力して、応急の措置を講ずること
  5. 製造所等の計測装置、制御装置、安全装置等の機能が適正に保持されるように危険物取扱者へ必要な指示を与えること
正解と解説

解答:5

  1. 正しい
  2. 正しい
  3. 正しい
  4. 正しい
  5. 誤り 製造所等の計測装置、制御装置、安全装置等の機能が適正に保持されるようにこれを保安管理することが業務です

 

リンク

危険物取扱者 乙種 法令①「危険物の分類」&「指定数量」

危険物取扱者 乙種 法令②「貯蔵・取扱い施設」 製造所・貯蔵所・取扱所

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