危険物取扱者 乙種 法令⑤「予防規程」&「点検」 予防規程と対象施設 、保安検査と定期点検をまとめて解説

法令(乙種)

危険物取扱者 法令の5回目です。

「予防点検」&「点検」を学習します。

この色枠部分は法令より引用・抜粋した部分を表記しています。

学習ポイントのまとめ

 

今回の章では以下をマスターすることを目的にしています。

 

・予防規程と対象施設
・保安検査と定期点検

予防規程と対象施設

 

「予防規程」は火災を予防するために必要な事項を定めたものです。

予防規程を定めた場合は、市町村長等の認可が必要です。

第十四条の二 政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、当該製造所、貯蔵所又は取扱所の火災を予防するため、予防規程を定め、市町村長等の認可を受けなければならない。これを変更するときも、同様とする。(消防法)

 

予防規程を定める必要のある施設は、給油取扱所、移送取扱所は必須です。その他の施設については保管数量に応じて対象になるかどうか分かれます。

区分 条件
製造所 倍数が10以上
屋内貯蔵所 倍数が150以上
屋外タンク貯蔵所 倍数が200以上
屋外貯蔵所 倍数が100以上
移送取扱所 すべて
一般取扱所 倍数が10以上
危険物取扱者 乙種 法令②「貯蔵・取扱い施設」 製造所・貯蔵所・取扱所

原文を確認する

(予防規程を定めなければならない製造所等の指定)
第三十七条 法第十四条の二第一項の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、第七条の三各号に掲げる製造所等又は給油取扱所のうち、総務省令で定めるもの以外のものとする(危険物の規制に関する政令)

第七条の三 法第十一条第七項(法第十一条の四第三項において準用する場合を含む。)の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、次に掲げる製造所等とする。

一 指定数量の倍数が10以上の製造所
二 指定数量の倍数が150以上の屋内貯蔵所
三 指定数量の倍数が200以上の屋外タンク貯蔵所
四 指定数量の倍数が100以上の屋外貯蔵所
五 移送取扱所
六 指定数量の倍数が10以上の一般取扱所

 

自衛消防組織の設置

第4類の危険物を一定以上に取扱い、貯蔵する製造所等では自衛消防組織を置くことが義務付けられています。

第十四条の四 同一事業所において政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所を所有し、管理し、又は占有する者で政令で定める数量以上の危険物を貯蔵し、又は取り扱うものは、政令で定めるところにより、当該事業所に自衛消防組織を置かなければならない。(消防法)

 

自衛消防組織を置く必要のある施設は第4類危険物の指定数量の倍数によって規定されています。製造所と一般取扱所は3,000倍、移送取扱所は指定数量以上で設置が必要です。

設置必要な区分 数量条件
製造所 指定数量の3,000倍
移送取扱所 指定数量以上
一般取扱所 指定数量の3,000倍
危険物取扱者 乙種 法令①「危険物の分類」&「指定数量」

保安検査と定期点検

保安検査

屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所は市町村村長等が行う保安に関する検査を受けなくてはいけません。

これを「保安検査」といいます。

第十四条の三 政令で定める屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所の所有者、管理者又は占有者は、政令で定める時期ごとに、当該屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所に係る構造及び設備に関する事項で政令で定めるものが第十条第四項の技術上の基準に従つて維持されているかどうかについて、市町村長等が行う保安に関する検査を受けなければならない。

 

定期点検

製造所では製造所等の位置・構造・設備が技術上の基準に適合させなくてはならず、その適合性の確認のために定期点検を行うことが義務付けられています。

第十四条の三の二 政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所の所有者、管理者又は占有者は、これらの製造所、貯蔵所又は取扱所について、総務省令で定めるところにより、定期に点検し、その点検記録を作成し、これを保存しなければならない。

対象となる施設は次の通りで、地下タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所は必須となり、あとは地下タンクの有無や倍数によって異なります。

 

区分 条件
製造所: 倍数が10以上 & 地下タンクあり
屋内貯蔵所: 倍数が150以上
屋外タンク貯蔵所: 倍数が200以上
地下タンク貯蔵所 必須
移動タンク貯蔵所 必須
屋外貯蔵所 倍数が100以上
給油取扱書 地下タンクあり
移送取扱所 15kmを超えるもの以外(政令:第八条の三)
一般取扱所 倍数が10以上&地下タンクあり

これらは以下の2つの政令の組み合わせによっておおよそが決まっています。

原文
(定期に点検をしなければならない製造所等の指定)

第八条の五 法第十四条の三の二の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、第七条の三に規定する製造所等(第八条の三に規定する移送取扱所を除く。)及び次に掲げる製造所等のうち、総務省令で定めるもの以外のものとする。

一 危険物を取り扱うタンクで地下にあるもの(以下この条において「地下タンク」という。)を有する製造所
二 地下タンク貯蔵所
三 移動タンク貯蔵所
四 地下タンクを有する給油取扱所
五 地下タンクを有する一般取扱所

第七条の三 法第十一条第七項(法第十一条の四第三項において準用する場合を含む。)の政令で定める製造所、貯蔵所又は取扱所は、次に掲げる製造所等とする。

一 指定数量の倍数が10以上の製造所
二 指定数量の倍数が150以上の屋内貯蔵所
三 指定数量の倍数が200以上の屋外タンク貯蔵所
四 指定数量の倍数が100以上の屋外貯蔵所
五 移送取扱所
六 指定数量の倍数が10以上の一般取扱所

 

定期点検は免状の種類(甲、乙、丙)によらず、危険物取扱者が実施できます。

また、危険物取扱者が立ち会うことによって無資格者でも実施することができます

危険物取扱者 乙種 法令④「危険物取扱者」&「危険物保安監督者 等」 実施できる業務や再交付・返納も
危険物取扱者 乙種 法令④「危険物取扱者」&「危険物保安監督者 等」 実施できる業務や再交付・返納も

定期点検の記録

定期点検の際には、次の内容を記録しておく必要があります。

一 点検をした製造所等の名称
二 点検の方法及び結果
三 点検年月日
四 点検を行つた危険物取扱者若しくは危険物施設保安員又は点検に立会つた危険物取扱者の氏名

 

また各点検の頻度と記録の保管期間は次のように定められています。

区分 条件
地下貯蔵タンクの漏れ 1年1回、記録保存3年
二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻の漏れの点検に係る点検記録 3年1回、記録保存3年
地下埋設配管の漏れ 1年1回、記録保存3年
移動貯蔵タンクの漏れ 5年1回、記録保存10年
原文

第六十二条の七 法第十四条の三の二の規定による点検記録には、次の各号に掲げる事項を記載しなければならない。

一 点検をした製造所等の名称
二 点検の方法及び結果
三 点検年月日
四 点検を行つた危険物取扱者若しくは危険物施設保安員又は点検に立会つた危険物取扱者の氏名

第六十二条の八 前条に規定する点検記録は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める期間これを保存しなければならない。

一 第六十二条の五第一項の規定による屋外貯蔵タンクの内部点検に係る点検記録 二十六年間(同項括弧書の期間の適用を受けた場合にあつては三十年間)。ただし、当該期間内に同条第三項の規定により市町村長等が延長期間を定めた場合にあつては、当該延長期間を加えた期間
二 第六十二条の五の二第一項の規定による地下貯蔵タンク及び二重殻タンクの強化プラスチック製の外殻の漏れの点検に係る点検記録 三年間。ただし、当該期間内に同条第二項ただし書の規定により市町村長等が延長期間を定めた場合にあつては、当該延長期間を加えた期間
三 第六十二条の五の三第一項の規定による地下埋設配管の漏れの点検に係る点検記録 三年間。ただし、当該期間内に同条第二項ただし書の規定により市町村長等が延長期間を定めた場合にあつては、当該延長期間を加えた期間
四 第六十二条の五の四の規定による移動貯蔵タンクの漏れの点検に係る点検記録 十年間

 

演習問題

問1. 以下の文章の中で正しい選択肢はいくつあるか答えなさい。

  1. 予防規程とは火災の予防を目的に設定する
  2. 予防規程とは点検項目の設定のために設定する
  3. 予防規程は危険物を扱うすべての製造所等で設定する
  4. 予防規程を設定した場合、都道府県知事の許可が必要である
  5. 予防規程を変更する場合、より厳しく設定する場合は自由に変更できる

 

正解と解説

正解:1つ

  1. 正しい 予防規程とは火災の予防を目的に設定する
  2. 誤り
  3. 誤り 予防規程を定める必要のある施設は、給油取扱所、移送取扱所は必須です。その他の施設については保管数量に応じて対象になるかどうか分かれます。
  4. 誤り 予防規程を設定した場合、市町村長等の認可が必要である
  5. 誤り 変更する場合も市町村長等の認可が必要です

 

問2. 予防規程を定めるよう義務付けられていない施設は次のうちどれか。

  1. 倍数が10以上の製造所
  2. 倍数が150以上の屋内貯蔵所
  3. 倍数が200以上の屋外タンク貯蔵所
  4. 移送取扱所のすべて
  5. 倍数が10以上の屋内タンク貯蔵所
正解と解説

正解:5
屋内タンク貯蔵所は予防規程を定める必要はありません

 

問3. 製造所に自衛消防組織を定める条件として正しいものはどれか

  1. 指定数量の以上の危険物を取扱う場合
  2. 指定数量の30倍以上の危険物を取扱う場合
  3. 指定数量の300倍以上の危険物を取扱う場合
  4. 指定数量の3,000倍以上の危険物を取扱う場合
  5. 指定数量によらず必要
正解と解説

正解:4

 

問4. 次のうち保安検査を受ける必要のある施設はいくつあるか。

  1. 製造所
  2. 屋内タンク貯蔵所
  3. 屋外タンク貯蔵所
  4. 移送取扱所
  5. 地下タンク貯蔵所
正解と解説

正解:2つ
③の屋外タンク貯蔵所と、④の移送取扱所

 

問5. 定期点検に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 甲種、および乙種の危険物取扱者が実施することができる
  2. 原則として3年に1回の実施が必要である
  3. 定期点検は危険物取扱者の立ち会いがあっても無資格者は実施できない
  4. 対象となる施設は、製造所と給油取扱所である
  5. 販売取扱所は定期点検を義務付けられていない
正解と解説

正解:5
屋内タンク貯蔵所、販売取扱所、簡易タンク貯蔵所は定期点検が義務付けられていません

 

問6. 定期点検が必要な施設として正しいものはどれか

  1. 指定数量の5倍以上の危険物を取扱う製造所
  2. 10km以下の移送取扱所
  3. 地下タンク貯蔵所
  4. 地下タンクのない一般取扱所
  5. 簡易タンク貯蔵所
正解と解説

正解:3

リンク

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設置必要な区分

区分一般一般取扱所取扱所

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