危険物取扱者 乙種 法令⑥「貯蔵・取扱いの基準」 

法令(乙種)

危険物取扱者 法令の6回目です。

「貯蔵・取扱いの基準」を学習します。

この色枠部分は法令より引用・抜粋した部分を表記しています。

危険物の貯蔵・取扱いの基準

 

危険物は消防法や危険物の規制に関する政令等にて、その貯蔵や取り扱いに関する基準が定められています。

「危険物のすべてに共通する基準」と、「第1類から第6類までの各類毎に共通した基準」の2通りあります。

 

危険物の貯蔵・取扱いの基準は2つ
1)危険物のすべてに共通する基準
2)類毎に共通する基準

 

危険物のすべてに共通する基準

まず、危険物の貯蔵及び取扱いのすべてに共通する基準は以下の15通りが定めれています。

No. 貯蔵・取扱いの基準
1 届出の品名以外の危険物、届出の数量、指定数量の倍数以上の危険物を貯蔵・取り扱わない。
2 みだりに火気を使用しない。
3 係員以外の者をみだりに出入させない。
4 常に整理及び清掃を行い、空箱など不必要な物件を置かない。
5 貯留設備または油分離装置に溜まった危険物は、あふれないように随時くみ上げる。
6 危険物のくず、かす等は、1日に1回以上、安全な場所で廃棄、適当な処置をする。
7 貯蔵・取り扱う建築物、その他の工作物や設備は、危険物の性質に応じ、遮光又は換気を行う。
8 危険物の性質に応じた適正な温度、湿度、圧力を保つように貯蔵、取り扱う。
9 危険物が漏れ、あふれ、又は飛散しないように必要な措置を講ずる。
10 危険物の変質、異物の混入等により、危険性が増大しないように必要な措置を講ずること。
11 危険物が残存(残存のおそれ)がある設備等を修理する場合、危険物を完全に除去した後に行う。
12 危険物を収納する容器は、危険物の性質に適応し、破損、腐食、さけめ等がないものであること。
13 危険物を収納した容器は、みだりに転倒、落下、衝撃を加える、引きずる等の粗暴な行為をしない。
14 可燃性の液体、蒸気、ガスが漏れたり滞留するおそれのある場所や、可燃性の微粉が著しく浮遊するおそれのある場所では、電線と電気器具とを完全に接続し、かつ、火花を発する機械器具、工具、履物等を使用しないこと。
15 危険物を保護液中に保存する場合は、当該危険物が保護液から露出しないようにすること。
原文
第四章 貯蔵及び取扱の基準
(通則)

第二十四条 法第十条第三項の製造所等においてする危険物の貯蔵及び取扱いのすべてに共通する技術上の基準は、次のとおりとする。

一 製造所等において、法第十一条第一項の規定による許可若しくは法第十一条の四第一項の規定による届出に係る品名以外の危険物又はこれらの許可若しくは届出に係る数量若しくは指定数量の倍数を超える危険物を貯蔵し、又は取り扱わないこと。
二 製造所等においては、みだりに火気を使用しないこと。
三 製造所等には、係員以外の者をみだりに出入させないこと。
四 製造所等においては、常に整理及び清掃を行うとともに、みだりに空箱その他の不必要な物件を置かないこと。
四の二 貯留設備又は油分離装置にたまつた危険物は、あふれないように随時くみ上げること。
五 危険物のくず、かす等は、一日に一回以上当該危険物の性質に応じて安全な場所で廃棄その他適当な処置をすること。
六 危険物を貯蔵し、又は取り扱う建築物その他の工作物又は設備は、当該危険物の性質に応じ、しや光又は換気を行うこと。
七 危険物は、温度計、湿度計、圧力計その他の計器を監視して、当該危険物の性質に応じた適正な温度、湿度又は圧力を保つように貯蔵し、又は取り扱うこと。
八 危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合においては、当該危険物が漏れ、あふれ、又は飛散しないように必要な措置を講ずること。
九 危険物を貯蔵し、又は取り扱う場合においては、危険物の変質、異物の混入等により、当該危険物の危険性が増大しないように必要な措置を講ずること。
十 危険物が残存し、又は残存しているおそれがある設備、機械器具、容器等を修理する場合は、安全な場所において、危険物を完全に除去した後に行うこと。
十一 危険物を容器に収納して貯蔵し、又は取り扱うときは、その容器は、当該危険物の性質に適応し、かつ、破損、腐食、さけめ等がないものであること。
十二 危険物を収納した容器を貯蔵し、又は取り扱う場合は、みだりに転倒させ、落下させ、衝撃を加え、又は引きずる等粗暴な行為をしないこと。
十三 可燃性の液体、可燃性の蒸気若しくは可燃性のガスがもれ、若しくは滞留するおそれのある場所又は可燃性の微粉が著しく浮遊するおそれのある場所では、電線と電気器具とを完全に接続し、かつ、火花を発する機械器具、工具、履物等を使用しないこと。
十四 危険物を保護液中に保存する場合は、当該危険物が保護液から露出しないようにすること。

類毎に共通する基準

危険物の類毎に共通する基準としては、第1類から第6類まで、次のようなものがあります。それぞれの危険物の危険性に応じた基準が設けられています。

詳細は各類でも学習します。

分類 基準
第1類 可燃物との接触もしくは混合、分解を促す物品との接近、または過熱、衝撃もしくは摩擦を避ける。アルカリ金属の過酸化物(含有するものを含む)は、水との接触を避けること。
第2類 酸化剤との接触もしくは混合、炎、火花もしくは高温体との接近または過熱を避けること。鉄粉、金属粉及びマグネシウム(いずれかを含有するものを含む)は水または酸との接触を避けること。引火性固体はみだりに蒸気を発生させないこと。
第3類 自然発火性物品(アルキルアルミニウム、アルキルリチウム及び黄りん等)は、炎、火花もしくは高温体との接近、過熱または空気との接触を避けること。禁水性物品は水との接触を避けること。
第4類 炎、火花もしくは高温体との接近または過熱を避けるとともに、みだりに蒸気を発生させないこと。
第5類 炎、火花もしくは高温体との接近、過熱、衝撃または摩擦を避けること。
第6類 可燃物との接触もしくは混合、分解を促す物品との接近または過熱を避けること。
原文

第二十五条 法第十条第三項の製造所等においてする危険物の貯蔵及び取扱いの危険物の類ごとに共通する技術上の基準は、次のとおりとする。

一 第一類の危険物は、可燃物との接触若しくは混合、分解を促す物品との接近又は過熱、衝撃若しくは摩擦を避けるとともに、アルカリ金属の過酸化物及びこれを含有するものにあつては、水との接触を避けること。
二 第二類の危険物は、酸化剤との接触若しくは混合、炎、火花若しくは高温体との接近又は過熱を避けるとともに、鉄粉、金属粉及びマグネシウム並びにこれらのいずれかを含有するものにあつては水又は酸との接触を避け、引火性固体にあつてはみだりに蒸気を発生させないこと。
三 自然発火性物品(第三類の危険物のうち第一条の五第二項の自然発火性試験において同条第三項に定める性状を示すもの並びにアルキルアルミニウム、アルキルリチウム及び黄りんをいう。)にあつては炎、火花若しくは高温体との接近、過熱又は空気との接触を避け、禁水性物品にあつては水との接触を避けること。
四 第四類の危険物は、炎、火花若しくは高温体との接近又は過熱を避けるとともに、みだりに蒸気を発生させないこと。
五 第五類の危険物は、炎、火花若しくは高温体との接近、過熱、衝撃又は摩擦を避けること。
六 第六類の危険物は、可燃物との接触若しくは混合、分解を促す物品との接近又は過熱を避けること。
2 前項の基準は、危険物を貯蔵し、又は取り扱うにあたつて、同項の基準によらないことが通常である場合においては、適用しない。この場合において、当該貯蔵又は取扱については、災害の発生を防止するため、十分な措置を講じなければならない。

 

貯蔵の基準

貯蔵所においては、危険物以外の物品を貯蔵しないこと、そして異なる類の危険物を同一貯蔵所で貯蔵しないことが原則です。

しかし、例外的に認められている場合があり、それぞれを理解する必要があります。

貯蔵の原則

1)危険物以外の物品を貯蔵しない
2)異なる類の危険物を同一貯蔵所で貯蔵しないこと
※いずれも例外が認められている場合がある

 

例外1.危険物以外の物品を貯蔵できる場合

屋内貯蔵所、または屋外貯蔵所で特定の危険物と危険物以外の物品とを貯蔵する場合、例外としてそれぞれを取りまとめて貯蔵し、かつ、相互に1メートル以上の間隔を置く場合は同時貯蔵が認められています。(特定の危険物と危険物以外の物品とを貯蔵する場合)

同時貯蔵の条件

1)それぞれを取りまとめて貯蔵
2)相互に1メートル以上の間隔を置く

第三十八条の四 令第二十六条第一項第一号ただし書の総務省令で定める場合は、次のとおりとする。

一 屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所において次に掲げる危険物と危険物以外の物品とを貯蔵する場合で、それぞれを取りまとめて貯蔵し、かつ、相互に一メートル以上の間隔を置く場合

類が異なる危険物

例外として、屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所において特定の危険物を貯蔵する場合で、危険物の類ごとに取りまとめて貯蔵し、かつ、相互に一メートル以上の間隔を置く場合は貯蔵が認められています。

同時貯蔵の条件

1)それぞれを取りまとめて貯蔵
2)相互に1メートル以上の間隔を置く

 

対象となる危険物の例をいくつか示します。

・第一類の危険物(アルカリ金属の過酸化物(含有するもの)を除く。)と第五類の危険物
・第一類の危険物と第六類の危険物
・第二類の危険物と自然発火性物品(黄りん又はこれを含有するものに限る。)
・第二類の危険物のうち引火性固体と第四類の危険物
・アルキルアルミニウム等と第四類の危険物のうちアルキルアルミニウム又はアルキルリチウムのいずれかを含有するもの
・第四類の有機過酸化物(含有するものを含む)と、第五類の有機過酸化物(含有するものを含む)

その他の基準

上記以外にも次のような基準が設けられています。

・屋内貯蔵所においては、容器に収納して貯蔵する危険物の温度が55度を超えないように必要な措置を講ずること。

・屋外貯蔵タンク、屋内貯蔵タンク、地下貯蔵タンク又は簡易貯蔵タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖しておくこと。

・屋外貯蔵タンク、屋内貯蔵タンクまたは地下貯蔵タンクの元弁及び注入口の弁又はふたは、危険物を入れ、又は出すとき以外は、閉鎖しておくこと。

 

原文
(貯蔵の基準)

第二十六条 法第十条第三項の危険物の貯蔵の技術上の基準は、前二条に定めるもののほか、次のとおりとする。

一 貯蔵所においては、危険物以外の物品を貯蔵しないこと。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
一の二 法別表第一に掲げる類を異にする危険物は、同一の貯蔵所(耐火構造の隔壁で完全に区分された室が二以上ある貯蔵所においては、同一の室。次号において同じ。)において貯蔵しないこと。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
一の三 第三類の危険物のうち黄りんその他水中に貯蔵する物品と禁水性物品とは、同一の貯蔵所において貯蔵しないこと。
二 屋内貯蔵所においては、危険物は、総務省令で定めるところにより容器に収納して貯蔵すること。ただし、総務省令で定める危険物については、この限りでない。
三 屋内貯蔵所において、同一品名の自然発火するおそれのある危険物又は災害が著しく増大するおそれのある危険物を多量貯蔵するときは、指定数量の十倍以下ごとに区分し、かつ、〇・三メートル以上の間隔を置いて貯蔵すること。ただし、総務省令で定める危険物については、この限りでない。
三の二 屋内貯蔵所で危険物を貯蔵する場合においては、総務省令で定める高さを超えて容器を積み重ねないこと。
三の三 屋内貯蔵所においては、容器に収納して貯蔵する危険物の温度が五十五度を超えないように必要な措置を講ずること。
四 屋外貯蔵タンク、屋内貯蔵タンク、地下貯蔵タンク又は簡易貯蔵タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖しておくこと。
五 屋外貯蔵タンク、屋内貯蔵タンク又は地下貯蔵タンクの元弁(液体の危険物を移送するための配管に設けられた弁のうちタンクの直近にあるものをいう。)及び注入口の弁又はふたは、危険物を入れ、又は出すとき以外は、閉鎖しておくこと。
六 屋外貯蔵タンクの周囲に防油堤がある場合は、その水抜口を通常は閉鎖しておくとともに、当該防油堤の内部に滞油し、又は滞水した場合は、遅滞なくこれを排出すること。
六の二 移動貯蔵タンクには、当該タンクが貯蔵し、又は取り扱う危険物の類、品名及び最大数量を表示すること。
七 移動貯蔵タンク及びその安全装置並びにその他の附属の配管は、さけめ、結合不良、極端な変形、注入ホースの切損等による漏れが起こらないようにするとともに、当該タンクの底弁は、使用時以外は完全に閉鎖しておくこと。
八 被けん引自動車に固定された移動貯蔵タンクに危険物を貯蔵するときは、当該被けん引自動車にけん引自動車を結合しておくこと。ただし、総務省令で定める場合は、この限りでない。
八の二 積載式移動タンク貯蔵所以外の移動タンク貯蔵所にあつては、危険物を貯蔵した状態で移動貯蔵タンクの積替えを行わないこと。
九 移動タンク貯蔵所には、第八条第三項の完成検査済証、法第十四条の三の二の規定による点検記録その他総務省令で定める書類を備え付けること。
十 アルキルアルミニウム、アルキルリチウムその他の総務省令で定める危険物を貯蔵し、又は取り扱う移動タンク貯蔵所には、緊急時における連絡先その他応急措置に関し必要な事項を記載した書類及び総務省令で定める用具を備え付けておくこと。
十一 屋外貯蔵所においては、第十二号に定める場合を除き、危険物は、総務省令で定めるところにより容器に収納して貯蔵すること。
十一の二 屋外貯蔵所で危険物を貯蔵する場合においては、総務省令で定める高さを超えて容器を積み重ねないこと。
十一の三 屋外貯蔵所において危険物を収納した容器を架台で貯蔵する場合には、総務省令で定める高さを超えて容器を貯蔵しないこと。
十二 第十六条第二項に規定する屋外貯蔵所においては、硫黄等を囲いの高さ以下に貯蔵するとともに、硫黄等があふれ、又は飛散しないように囲い全体を難燃性又は不燃性のシートで覆い、当該シートを囲いに固着しておくこと。
2 アルキルアルミニウム、アルキルリチウム、アセトアルデヒド、酸化プロピレンその他の総務省令で定める危険物の貯蔵の技術上の基準は、前項に定めるもののほか、当該危険物の性質に応じ、総務省令で定める
(類を異にする危険物の同時貯蔵禁止の例外)

第三十九条 令第二十六条第一項第一号の二ただし書の総務省令で定める場合は、次のとおりとする。

一 屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所において次に掲げる危険物を貯蔵する場合で、危険物の類ごとに取りまとめて貯蔵し、かつ、相互に一メートル以上の間隔を置く場合
イ 第一類の危険物(アルカリ金属の過酸化物又はこれを含有するものを除く。)と第五類の危険物
ロ 第一類の危険物と第六類の危険物
ハ 第二類の危険物と自然発火性物品(黄りん又はこれを含有するものに限る。)
ニ 第二類の危険物のうち引火性固体と第四類の危険物
ホ アルキルアルミニウム等と第四類の危険物のうちアルキルアルミニウム又はアルキルリチウムのいずれかを含有するもの
ヘ 第四類の危険物のうち有機過酸化物又はこれを含有するものと第五類の危険物のうち有機過酸化物又はこれを含有するもの
ト 第四類の危険物と第五類の危険物のうち一―アリルオキシ―二・三―エポキシプロパン若しくは四―メチリデンオキセタン―二―オン又はこれらのいずれかを含有するもの
二 屋内貯蔵所において第四十三条の三第一項第五号ただし書に規定する告示で定めるところにより類を異にする危険物を収納した容器を貯蔵する場合(当該類を異にする危険物を収納した二以上の容器を貯蔵する場合を含み、当該容器に収納された危険物以外の危険物を貯蔵する場合を除く。)

 

運搬及び移送の基準

運搬とは移動タンク貯蔵所(タンクローリーなど)を除いた車両で危険物を運ぶことをいいます。

この基準は指定数量未満の危険物を運搬する際にも適用されます。

 

基準としては、①運搬容器、②積載方法、③運搬方法の3つが規定されています。

 

運搬容器

運搬容器は鋼板、アルミニウム板、ブリキ板、ガラス、金属板、紙、プラスチック、ファイバー板、ゴム類、合成繊維、麻、木又は陶磁器が認められています。

 

(運搬容器)

第二十八条 法第十六条の規定による危険物を運搬するための容器(以下「運搬容器」という。)の技術上の基準は、次のとおりとする。

一 運搬容器の材質は、鋼板、アルミニウム板、ブリキ板、ガラスその他総務省令で定めるものであること。
二 運搬容器の構造及び最大容積は、総務省令で定めるものであること。
第四十一条 令第二十八条第一号の総務省令で定める運搬容器の材質は、同号で定めるもののほか、金属板、紙、プラスチック、ファイバー板、ゴム類、合成繊維、麻、木又は陶磁器とする。

積載方法

次に積載方法ですがについても様々な基準が定められています。とくに、類が異なる危険物の混載に関しては覚えておく必要があります。

積載方法の基準
  1. 危険物は類を異にするその他の危険物又は災害を発生させるおそれのある物品と混載しないこと。
    第一類 第二類 第三類 第四類 第五類 第六類
    第一類 × × × ×
    第二類 × × ×
    第三類 × × × ×
    第四類 × ×
    第五類 × × ×
    第六類 × × × ×
  2. 運搬容器を積み重ねる場合においては、3m以下で積載すること。
  3. 危険物は、前条の運搬容器に収納して積載する
  4. 運搬容器の外部に危険物の品名、数量等を表示して積載すること。
  5. 危険物が転落し、または運搬容器が落下し、転倒し、若しくは破損しないように積載すること。
  6. 運搬容器は、収納口を上方に向けて積載すること。
  7. 日光の直射や雨水の浸透を防ぐため有効に被覆するなど、危険物の性質に応じて積載すること。

運搬方法

運搬方法には、すべてが対象となる基準と、定数量以上の危険物を車両で運搬する場合の基準があります。

 

すべてが対象となる基準

・危険物または運搬容器が著しく摩擦又は動揺を起さないように運搬すること。
・危険物の運搬中危険物が著しくもれる等災害が発生するおそれのある場合は、災害を防止するため応急の措置を講ずるとともに、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること

 

また、指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合には、標識や消火設備に関する規定が加わります。

 

指定数量以上の危険物を車両で運搬する場合

・車両に標識を掲げること。
・積替、休憩、故障等のため車両を一時停止させるときは、安全な場所を選び、かつ、運搬する危険物の保安に注意すること。
・当該危険物に適応する消火設備を備えること。

 

移送の基準

移送とは移送タンク貯蔵所や移送取扱所(パイプライン)によって危険物を運ぶことをいいます。

 

「移動タンク貯蔵所」とは車両に固定されたタンクで危険物を貯蔵する施設をいいます。一般的にはタンクローリーと呼ばれています。

保管できるタンクの容量は30,000L以下とされています(危険物の規制に関する政令)。

移送タンク貯蔵所に関する基準、移送の基準には次のようなものがあります。

区分 基準
移送タンクの基準 1)屋外の防火上安全な場所、もしくは「耐火構造」「不燃材料」で作った建築物の一階に常置
2)「危」と記した標識を付ける
3)完成検査済証、定期点検記録などを備え付ける
4)引火点40℃以上の危険物は容器に詰め替えることができる
5)引火点40℃未満の危険物(ガソリンなど)を他のタンクに注入する場合はエンジン(原動機)を停止させる
6)第5種の消火設備を設置する
移送の基準 1)移送する危険物を取扱うことのできる危険物取扱者が乗車する(免状は携帯すること)
2)消防吏員又は警察官は、火災の防止のため特に必要があると認める場合には、走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ、危険物取扱者に対し免状の提示を求めることができる。
3)移送の開始前に、移動貯蔵タンクの底弁その他の弁、マンホール及び注入口のふた、消火器等の点検を十分に行なうこと。
4)長時間にわたる移送であるときは、原則として二人以上の運転要員を確保すること。
5)休憩、故障等のため移動タンク貯蔵所を一時停止させるときは、安全な場所を選ぶこと。
6)移動貯蔵タンクから危険物が著しくもれる等災害が発生するおそれのある場合には、災害を防止するため応急措置を講ずるとともに、もよりの消防機関その他の関係機関に通報すること。

 

演習問題

問1. 危険物の取扱・貯蔵に関する基準について、以下の文章の中で誤りのある選択肢を答えなさい。

  1. 届出された品名以外の危険物、届出された数量、指定数量の倍数を超える危険物を貯蔵、取り扱わない。
  2. 貯留設備または油分離装置に溜まった危険物は、あふれないように随時くみ上げる。
  3. 危険物のくず、かす等は、三日に一回以上、危険物の性質に応じて安全な場所で廃棄、適当な処置をする。
  4. 危険物の変質、異物の混入等により、危険性が増大しないように必要な措置を講ずること。
  5. 危険物が残存し、または残存しているおそれがある設備等を修理する場合は、安全な場所で危険物を完全に除去した後に行うこと。
正解と解説

正解:3
危険物のくず、かす等は、1日に1回以上、危険物の性質に応じて安全な場所で廃棄、適当な処置をする。

 

問2. 危険物の取扱・貯蔵に関する基準について、以下の文章の中で正しい選択肢はいくつあるか答えなさい。

  1. 貯留設備または油分離装置に溜まった危険物は、あふれ出た際にくみ上げる。
  2. 危険物を貯蔵・取り扱う建築物、その他の工作物または設備は、遮光又は換気をしてはならない。
  3. 危険物は、性質に応じた適正な温度、湿度、圧力を保つように貯蔵、取り扱う。
  4. 危険物が漏れ、あふれ、又は飛散しないように必要な措置を講ずる。
  5. 危険物を収納する容器は、破損、腐食、さけめ等がなければ粗暴に扱っても問題ない。
正解と解説

正解:2個
正しい選択肢は③、④の2つです。

 

問3. 危険物の取扱・貯蔵に関する基準について、以下の文章の中で正しい選択肢を答えなさい。

  1. 製造所では日々取り扱う危険物は変わるため、届出された数量、指定数量の倍数を超えなければ品名を変更してもよい。
  2. いかなる場合においても火気を使用しない。
  3. 危険物を保護液中に保存する場合は、当該危険物が必ず保護液から一部を露出させないといけない。
  4. 危険物が残存している設備等を修理する場合は、危険物が外部に漏れないように注意しながら作業を行う。
  5. 常に整理及び清掃を行い、空箱など不必要な物件を置かない。
正解と解説

正解:5

  1. 誤り 届出された品名以外の危険物、届出された数量、指定数量の倍数を超える危険物を貯蔵、取り扱わない。
  2. 誤り みだりに火気を使用しない。
  3. 誤り 危険物を保護液中に保存する場合は、当該危険物が保護液から露出しないようにすること。
  4. 誤り 危険物が残存(残存のおそれ)がある設備等を修理する場合、危険物を完全に除去した後に行う。
  5. 正しい

 

問4. 次の貯蔵に関する基準のうち、誤りのあるものはどれか。

  1. 屋内貯蔵所で異なる類の危険物を貯蔵する場合、危険物の類ごとに取りまとめて、かつ、相互に1メートル以上の間隔を置く必要がある。
  2. 屋外貯蔵所で特定の危険物と危険物以外の物品とを貯蔵する場合、それぞれを取りまとめて貯、かつ、相互に10メートル以上の間隔を置く必要がある。
  3. 屋内貯蔵所においては、容器に収納して貯蔵する危険物の温度が55度を超えないように必要な措置を講ずること。
  4. 屋外貯蔵タンクの計量口は、計量するとき以外は閉鎖しておく。
  5. 屋外貯蔵タンクの元弁及び注入口の弁、またはふたは、危険物を入れ、または出すとき以外は、閉鎖しておくこと。
正解と解説

正解:2

  1. 正しい
  2. 誤り 相互に1メートル以上の間隔を置く必要がある
  3. 正しい
  4. 正しい
  5. 正しい

 

問5. 次の選択肢の中で運搬容器として使用できないものはいくつあるか

  1. 鋼板
  2. アルミニウム
  3. ブリキ
  4. プラスチック
正解と解説

正解:0個
ほとんどの材質が認められています。

 

問6. 運搬の基準について、正しいものはいくつあるか答えなさい。

  1. 運搬容器は決して積み重ねてはいけない。
  2. 危険物は、金属などの規定された運搬容器に収納して積載する
  3. 運搬容器の外部に危険物の品名のみを表示して積載すること。
  4. 危険物が転落し、または運搬容器が落下し、転倒し、若しくは破損しないように積載すること。
  5. 運搬容器は、収納口を上方に向けて積載すること。
  6. 日光の直射や雨水の浸透を防ぐため有効に被覆するなど、危険物の性質に応じて積載すること。

 

正解と解説

正解:3つ

  1. 誤り 運搬容器を積み重ねる場合においては、3m以下で積載すること。
  2. 正しい
  3. 誤り 運搬容器の外部に危険物の品名と数量を表示して積載すること。
  4. 正しい
  5. 誤り 運搬容器は、収納口を下方に向けて積載すること。
  6. 正しい

 

 

問7. 混載をしてはならない危険物の組み合わせはどれか。

  1. 第1類と第6類
  2. 第2類と第3類
  3. 第4類と第5類
  4. 第3類と第4類
  5. 第2類と第5類
正解と解説

正解:2

  1. 混載可能
  2. 不可
  3. 混載可能
  4. 混載可能
  5. 混載可能

 

問8. 移送タンク貯蔵所の移送・取扱いに関して誤っているものはどれか。

  1. 保管できるタンクの容量は30,000L以下
  2. 移送する危険物を取扱うことのできる危険物取扱者が乗車する
  3. 移送中は必ず二人以上の運転要員を確保すること。
  4. 引火点40℃以上の危険物は容器に詰め替えることができる
  5. 「危」と記した標識を付ける
正解と解説

正解:3

  1. 正解
  2. 正解
  3. 誤り 長時間にわたる移送であるときは、原則として二人以上の運転要員を確保すること。
  4. 正解
  5. 正解

リンク

危険物取扱者 乙種 法令①「危険物の分類」&「指定数量」

危険物取扱者 乙種 法令②「貯蔵・取扱い施設」 製造所・貯蔵所・取扱所

危険物取扱者 乙種 法令③「設置・変更許可」&「届出・命令」 

危険物取扱者 乙種 法令④「危険物取扱者」&「危険物保安監督者 等」 

設置必要な区分

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